ポリエステルは形状記憶のワイシャツや体操服やジャージ、スカートにブラウスなど身近な衣類に多く含まれています。
ほとんどが綿やウール・レーヨンなどと混ぜて使われることが多いのですが、絹のような光沢を持つことから「風呂敷」にも用いられることが多くなりました。
シワになりにくく軽い繊維なので非常に便利ですが、汚れを吸着しやすいために「黒ずみやすい」特徴を持っています。そんなポリエステルの洗濯はどのようにすればよいのでしょうか。
ここでは「ポリエステルの特徴」「ポリエステルの洗濯方法」「洗濯頻度」「洗濯に必要なもの」「洗濯のやり方」「干し方やシワの伸ばし方」の順に解説していきます。
身近な繊維ですが「この洗い方でいいのかな?」と疑問に感じているなら、最後まで読んで参考にしてください。
目次
ポリエステルの特徴
デザインブラウスにはポリエステル100%のものも多く、子供服にもポリエステルを使ったスカートやワンピースが多くありますので、おしゃれ着の多くに何かしら使われています。
また、シワになりにくい学生服のシャツやワイシャツもポリエステル混紡です。このように皆さんが普段着ている衣類の多くに使われている素材で「シワになりにくい」「光沢がある」「リーズナブルな価格」であることが大きな特徴です。
シワになりにくくノ―アイロンで着用出来る
洗濯してもシワがつきにくいものや、サラッとしてハンガーにかけておくとシワが伸びてしまうなど非常に洗濯が楽な繊維です。
速乾性もあるので、洗濯してもあっという間に乾いてしまいますので、汚れることが多い子供服などにはポリエステルをメインにしたアイテムが多いようです。
熱に強く縮みにくい
ポリエステルは天然繊維や他の合成繊維と比較すると、熱に強い特性を持っています。また洗濯しても縮みにくく、元のサラッとした状態に早く戻ります。
光沢がありプリーツ加工しやすい
美しい光沢のある合成繊維で、フリルブラウスやドレープのあるブラウスにも使われることが多く、プリーツ加工したスカートの多くはポリエステルを使っています。女子の制服のスカートも、このポリエステルを使うことでピシッとしたプリーツができあがります。
普段着に適した丈夫な素材
シワにならず縮まないポリエステルは、丈夫で洗濯にも強く光沢もあるだけでなく、安価な商品が多く、見た目にもおしゃれですからで汚れやすい普段着に適した素材です。海外ではポリエステルを使ったエレガントなワンピースが人気で海外セレブも愛用しているものにも使われています。
非常に優秀な繊維ですが「黒ずみができやすい」「毛玉ができる」「静電気が起きやすい」デメリットもあります。ワイシャツやブラウスなどは、綿と比較すると襟が黒ずみやすくなりますし、ニットやセーター類は静電気が起きやすくなります。洗濯するときにちょっとした工夫をしたり、乾いたあとのケアでこれは解決しますので心配はないでしょう。
ポリエステルの洗濯方法と注意点
衣類に広く使われている素材ですので、基本的には洗濯機で洗えるものが多いです。ただ、「ポリエステル・ウール」や「レーヨン・ポリエステル」などデリケートな素材とミックスされたものは手洗い表示がされていますので、あらかじめ洗濯表示を確認してから洗うようにします。
洗濯機や手洗いで簡単に洗濯できます
ワイシャツや体操服・ジャージなど、とくにデリケートな素材がミックスされていないものは洗濯機でガンガン洗っても大丈夫です。たくさんの洗濯ものと一緒に洗濯してしまうと、他の汚れが移ることもありますので洗濯機に洗濯ものを入れすぎないようにすることも大切です。
ウールやレーヨンなどのデリケートな素材と混紡になっているものは、洗濯機で洗える表示があっても手洗いが安心です。特にお気に入りのブラウスやワンピースなどのおしゃれ着は手洗いをおすすめします。
色落ちしやすい生地なので事前にチェック
ポリエステル100%のものは色落ちしやすいので、洗剤が合わないと洗濯した後に色が抜けていたり色落ちしてしまうことがあります。
先に気になるシミは落としてから洗濯しますが、「どの洗剤を使えばいいんだろう」と迷った時には目立たない場所に洗剤をつけて色落ちしないかを確認しましょう。酵素系漂白剤を使用したい場合も、必ず色落ちチェックしてから使えば安心です。
洗濯にも強いために、あまり神経質に洗濯しなくても良いメリットはありますが、汚れを吸着しやすい特性を持っていますので「泥汚れ」や「油汚れ」のついたものとは別に洗濯しましょう。特に白の体操服は、汚れたものと一緒に洗濯すると色がくすんでしまうことがあります。泥汚れのついた靴下から汚れが移ることもありますので注意してください。
ポリエステルの洗濯頻度
普段着で着用しているものは、「着用したら洗う」ように心掛けておくのが一番ですが、困るのは「おしゃれ着」ではないでしょうか。
ポリエステル100%のものは、短時間も着用でもその日のうちに洗濯し汚れを落とします。ポリエステルは汚れを吸着しやすいために、他の繊維と比較すると黄ばみや黒ずみができやすくなります。
見た目には汚れていなくても、時間が経つと落ちにくくなりますので2~3回の着用・汗をかいたものはすぐに洗濯するようにします。
ポリエステルの洗濯に必要なもの
- おしゃれ着用中性洗剤
- アタックなどの洗濯洗剤
- 柔軟剤
- 洗面器
- 洗濯ネット
洗濯機で洗えるものが多いので、とくに変わったものを用意する必要はありません。ただし、ポリエステル100%の生地は色落ちしやすいので酵素系漂白剤をつかう場合には「必ず色落ちチェック」を忘れずに行いましょう。
柔軟剤で静電気を防止
シワにならないことから、柔軟剤を使わない方もいるかもしれませんが、ポリエステルは静電気を起こしやすいので、柔軟剤は使った方が繊維が長持ちしますし毛羽立ちや毛玉も予防できます。黒ずみのケアにも柔軟剤は有効ですので柔軟剤入りの洗剤を利用するのも良いでしょう。
シャツやブラウスは洗濯ネットを使ってシャキッと
手洗いでは必要ありませんが、洗濯機でおしゃれ着のブラウスやワイシャツを洗濯するのであれば洗濯ネットを使いましょう。特にポリエステル100%の衣類は、摩擦から守るためにも洗濯ネットの利用をおすすめします。
襟汚れや袖汚れは部分洗い用洗剤で
汚れを吸着しやすいので、袖や襟などの部分的な汚れはあらかじめ「部分洗い洗剤」などを使ってしばらく置いてから洗います。ポリエステル100%の衣類の場合、色落ちしてしまうこともありますので目立たない部分で色落ちを確認してから使いましょう。
シミなどがあった場合は、洗濯前に落としておけばスムーズに洗濯を終わらせることができます。
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ポリエステルを自宅で洗濯をしてみましょう

洗濯機が使えるマークのあるものは、洗濯機を使っていつものように洗うだけ。おしゃれ着の場合には「ドライ」「手洗い」コースでおしゃれ着用中性洗剤を使います。
洗濯機で簡単に洗いましょう
ジャージや体操服、Tシャツなどの普段着であればいつもの洗濯と同じで大丈夫です。
洗濯機に入れる
シャツやカットソー・ブラウスなどは洗濯ネットをおすすめしますが、その他のものは通常の洗濯と同じで適量を洗濯機に入れます。
通常コースかデリケートコースを選びます
洗濯したい衣類に合わせて、コースを選びます。柔軟剤をセットしてあとはスイッチを押すだけと簡単。ポリエステル100%のものでなければ、場合によっては「酸素系漂白剤」を加えるなど、洗濯するものに合わせて洗剤とコースを選択します。
手洗いのやり方
「押し洗い→脱水→すすぎ→脱水→柔軟剤」と洗濯機を使うよりも短時間で終わらせることができますので、大事な洋服は手洗いが安心なようでしたら手洗いをおすすめします。
洗浄液をつくる
洗面器に水を張り、その水量にあわせて洗剤を入れます。おしゃれ着用の中性洗剤でも通常の液体洗剤でもどちらでも構いませんが、泡切れを考えるとおしゃれ着用洗剤が良いでしょう。
押し洗いします
汚れが気になる面を表にして畳んだら、服を洗浄液にしっかり浸して押し洗いします。シワにならないとはいっても揉んだりこすったりはしないようにしてください。
洗濯ネットに入れて脱水
畳んだまま洗濯ネットに入れて、洗濯機の脱水を30秒程度で終わらせます。洗剤がついたまま入れるのがいやであれば、タオルで挟んで水を切ります。
すすぎと脱水
きれいな水で泡がなくなるまで押し洗いし、洗濯ネットをつかつて洗濯機で30秒脱水します。
柔軟剤で仕上げます
最後の仕上げは柔軟剤を含ませて、再度洗濯ネットに入れて脱水すれば終了。色柄物は風通しのよい日陰に、白いものはお日様にあてても変色する心配もありません。
ポリエステルの干し方
シワの心配がありませんので、水を振りさばいたら後は干すだけ。白い衣類はお日様にあてても問題はありませんが、色柄物は日陰で陰干ししてください。天気が良ければ半日程度で乾いてしまいますので、日が落ちる前に部屋に入れましょう。
乾きやすく伸びやすいので注意
サラッとして乾きやすいポリエステルですが、吸水性が高いので脱水しても多少の水分が繊維内に残っています。ハンガーにかけてしまうと、水分の重みで縦に伸びてしまいますので竿にかけて干すか、平干し、もしくはハンガーとハンガーを使って力を分散したM字干し方が適しています。
粗シワはしっかり伸ばして干します
脱水すればシワにならないポリエステルも多少はシワが残ります。このまま干してもシワが完全に取れることはありませんので、「振りさばいてシワを伸ばす」「手の平で挟むようにしてシワを伸ばす」ようにしてからハンガーなどを使って干しましょう。
これをすることで、アイロンを使わなくてもきれいな状態で乾かすことができます。
アイロンは低温から中温のドライ
ワイシャツのようにプレスがしっかりした方が見た目にも清潔感が出る衣類も多くあります。多少のシワがあっても問題がないものは、そのまま着用して構いませんが「ビシッとしたい」衣類は軽くアイロンをかけましょう。
アイロンは中温以下のドライを使い、当て布を必ずすること。アイロンをそのまま当てるとテカリができてしまいますので注意してください。
乾燥機は避けましょう
どうしてもすぐに着用したい場合、自宅の洗濯機に乾燥機機能があると使いたくなります。ポリエステル100%の場合、乾燥機は使わずに自然乾燥しましょう。
水洗いできるポリエステルの衣類であれば乾燥機を使えますが、生地をできるだけ長持ちさせるためには乾燥機は使わずに自然乾燥がおすすめです。乾燥機を使うと、シワになりにくいとは言ってもシワにはなります。扇風機などを使って風を当てるようにすれば、早くにキレイに乾きますのでお試しください。
ポリエステルの黒ずみが気になるそんな時はどうすればいいの?
普段着で安価な衣類は、クリーニング代金を払ってまでクリーニングに出さなくてもいいと考える方もいるでしょう。そんな場合で「水洗いができる」衣類であればオキシクリーンがおすすめです。一般衣類の洗濯に使える酵素系漂白剤で、そのパワーはSNSでも評判になっています。
ワイシャツや体操服など、頻繁に汚れてしまうものや毎日洗濯しなくてはいけない普段着でポリエステル素材であればオキシクリーンを使った「オキシ漬け」も有効です。
おしゃれ着以外であれば、洗濯洗剤をオキシクリーンに変えればかなりの確率で黒ずみは落とせますので試してください。
おしゃれ着を洗濯しても黒ずみが取れない!そんな時にはクリーニング
ポリエステルは普段着として優秀な繊維ですから、わざわざクリーニングに出す必要はありませんが他の洗濯ものと洗う回数が多かったり、汚れがきちんと落ちていないと全体的に黒ずんだ印象になってしまいます。
酵素系漂白剤を使っても購入した時と同じように清潔感のある衣類にならない時には、一度クリーニングに出してキレイにしてもらうのも方法です。
黒ずみは時間が経つと落ちにくくなりますので、早めにクリーニングで元の色を取り戻しましょう。あとはいつものように家庭で洗濯できますので、黒ずみが気になった時にはクリーニングを利用することも考えておくと良いでしょう。
まとめ
ポリエステルは洗濯もしやすく手入れも簡単な繊維なので、自宅で簡単に洗濯できますが、他の汚れを吸着しやすいやっかいな特性があります。
ただ、丈夫な生地ですから注意点を守っていれば特に神経質になることはありません。お気に入りの衣類は、前もって洗濯表示をチェックし正しい洗い方で大切にしてあげましょう。
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