「お洒落は足元から」というように、どんなにトレンドのファッションで身を固めても靴が汚れているとガッカリされてしまいます。
ビジネスマンは靴の手入れをしていないと「だらしない」と思われますし、女性であれば「細かいところに気が利かない」などマイナスのイメージを持たれてしまうこともあります。
基本の手入れをしていればいつまでもキレイなままに履けますが、メンテナンスをしていないまま履き続けることで、靴が傷んだり自分では落としきれない汚れがついてしまい「くクリーニングに出すしかない」状態になってしまうことも…。
クリーニングに出すのは最終手段!できればクリーニングに出す回数を減らしたい方もいるでしょう。
ここでは「素材別のメンテナンス方法」「自宅で靴を洗濯する方法」「靴のクリーニング代金と日数」の順に紹介します。クリーニングだけに頼りたくない、日常的なメンテナンスを知りたい方は最後まで読んで参考にしてください。
目次
靴は素材によってメンテナンス方法が違います
デザインが多種多様な靴ですが、素材は一般的に革靴と呼んでいるスムース、起毛素材のヌバックやスエード・合皮に分かれています。
合皮は水洗いできるけれど、革靴は水洗いできないと思っている方もいますが水につける時間を短くすれば洗えますし、専用のクリーナーもありますので慣れていなくてもクリーナーで洗うことができます。
本格的にキレイにするにはクリーニングが一番ですが、基本は「しっかり磨いてあげる」こと。日常的なメンテナンスをしっかりしていれば、クリーニング回数を抑えて節約することもできますので「自分の靴に必要なケア」を覚えておきましょう。
スムース素材のメンテナンス
一般的な革靴は艶が命です。艶がなくなりくすんでくると、だらしない印象になるのでこまめに布で汚れを落しておきましょう。
それでも艶が戻らずにくすみが気になるようにあれば、肌と一緒で油分が不足しいる状態ですのでクリーナーで汚れを落してからクリームで保湿してあげましょう。
用意するもの
- 靴用ブラシ
- 古布
- 靴用クリーナー(汚れ落とし)
- 靴用クリーム(栄養補給・保湿)
靴の汚れを落していきます
ホコリや泥などはブラシを使って落としておきます。これは「履いたらその都度にやっておく」大切なこと。磨く前にもしっかりブラシで汚れを落してください。
布にクリーナーをつけて、全体的な汚れを拭き取っていきます。ざっくり落すのではなく丁寧に細かいところもきちんと拭いてください。
布が汚れたらきれいな部分を使い、汚れが靴につかないように注意すること。クリーナーは靴の洗剤ですから、艶だし効果はありませんので必ずクリームと併用してください。
中敷きは「履いたら拭き取り」のケアが重要です。消臭スプレーをすぐにかけるのではなく、湿らせた布で中敷きの汗や皮脂を拭き取って乾いたら防臭スプレーをかけます。
その後もしっかり中敷きを乾かせば、臭いの予防にもなりますしカビなどの発生も防ぐことができます。
クリームで栄養補給と磨き上げ
靴のクリームも布に出したら、ムラにならないように全体的に伸ばしていきます。乳化性のクリームは、艶だしと防水効果があるのでスムース靴・合皮靴どちらにも使えます。
クリームは靴の縫い目に入る混むので嫌がる方もいますが、古い歯ブラシでかきだせば問題ないのでかき出しながらしっかりクリームを塗りましょう。
クリームが全体に馴染んだら艶を出すために磨き上げていきます。新しい布を使って隅々までしっかり磨きます。クリームを塗ってしばらく置いてから磨くと、より艶がでますので試してみてください。
もっと艶を出したい場合には、その上からワックスクリームを塗るとピカピカになりますので「今日は気合いを入れたい」時にやってみましょう。
ピカピカしている靴の中には「樹脂コート」されたものがあり、ナチュラル感のあるツヤの靴は「アリシン仕上げ」とは使うクリームが違います。クリームとはいっても、靴のタイプ別に色んなクリームがありますので良く確認して購入してください。
防水スプレーで仕上げ
クリームだけでも多少の雨は弾きますが「シミ」を作らないためにも防水スプレーは必須です。雨を染み込ませないだけでなく、汚れが付きにくくなる効果もありますので仕上げには防水スプレーを使いましょう。
磨いた靴はきちんと保管
毎日使うものだからこそ、ケアと保管には気をつけるべき。磨いた後には、シューキーパーを使ってシワを伸ばし形を整えておきます。
履いた後は、新聞紙を丸めて入れれば湿気を取ってくれるのでおすすめ。湿気が取れたら、中敷きをケアしてさらに乾かしてから靴箱に入れるなどして保管しましょう。
毎日磨くのはなかなか大変ですが、休日にはクリーナーとクリームで大切な靴をケアしておきたいもの。これだけで靴の寿命も長くなりますし、型崩れ防止にもなりクリーニング回数を減らすことができます。シーズンで靴を履き替えるのであれば、シーズンオフに一度クリーニングに出せば来シーズンを気持ちよく過ごすことができます。定番の靴をロングシーズン履くのであれば、適度なメンテナンスを行い3ヶ月に1回はクリーニングでピカピカにしておきましょう。
スウェード靴のメンテナンス
カジュアルな雰囲気になるスウェード靴は、革靴とは違いカラーバリエーションも豊富でデザインも色んなものがあります。起毛したスウェードは、革靴よりもメンテナンスに使うものも少ないのでケアは簡単ですが汚れがつくと落ちにくい特徴もあるのでこまめにケアしておきましょう。
用意するもの
- 靴用ブラシ
- 古布
- 靴用クリーナー(汚れ落とし)
- スウェード用スプレー
全体の汚れをブラシで落とします
スウェードは毛の流れに逆らってブラシをかけると汚れがしっかり落ちます。力は入れすぎない程度に優しくブラッシングしましょう。起毛皮革専用のゴム製ブラシやワイヤーブラシを使うと生地を傷めることなく汚れが落ちるので楽です。
日常的なお手入れはこれで終了ですが、元気がないと感じた時には起毛皮革用のスプレーを使ってお手入れしましょう。防水効果のあるもの栄養補給できるものがありますが、両方の機能を備えたものがあればそれを使った方が便利です。
スウェードに使う防水スプレーは、専用のフッ素系を選ぶこと。シリコン系は皮革を硬くしたり膜を張るのでスウェードには不向きです。
防水スプレーを使うとスウェードが固くなると感じた方は、防水スプレーを専用でないものを使っている可能性がありますので購入する時には「スウェード専用」か確認してください。
クリーニングに出さなくても自分で靴は洗えます
古来から草履や下駄文化の日本では「靴は洗えないもの」して認識されてきましたが、実は専用のソープを使えば靴は自宅でも洗えます。また「靴のクリーニング」も普及したので、大切な靴はクリーニングに出した方がいいと考える方もいるでしょう。
ただ革靴やスウェード靴は洗濯機で…とはいきませんので、多少時間をかけて洗う必要があります。
高温多湿の日本では、ちゃんとしたお手入れをしないとカビが生えてしまうことも多いので、そうならないように洗濯するのも大切なことです。
衣類はクリーニングに出すけれど、靴までもクリーニングに出すと費用がかさんでとんでもない!なんて方は、自宅での洗濯にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
靴の洗濯に使う洗剤サドルソープ
サドルソープは馬の鞍(サドル)の汚れを落すための石鹸で、欧米では靴の洗濯に使われているポピュラーなもの。乳化クリームに近い成分が含まれていますので、靴を傷めることなくキレイに汚れを落すことができます。
本来は馬の鞍(サドル)に付いた汚れを落とすための「石鹸」で、欧米では昔から広く使われていたものです。牛革アッパー素材には使えますが、スウェード・エナメル・キャンバスコンビ・爬虫類系・コードバンには使えませんので注意してください。
スムース素材・合皮の靴の洗い方
洗うとはいっても水につけて洗うわけではありませんので、洗面器などは必要はありません。クリーナーである程度汚れを落としたらサドルソープを使って本格的に洗っていきます。
用意するもの
- スポンジ
- サドルソープ
- 古い布
全体をスポンジで湿らせます
スポンジに水を含ませたら、軽く絞って靴を全体的に湿らせていきます。水をかけたり、中まで水が染み込むほどに濡らすとシミになりますので撫でるようにして全体がしっとりするくらいでやめましょう。
スポンジでサドルソープを泡立てます
濡れたスポンジにサドルソープを付けたら揉んで泡立てたら、泡を靴全体に乗せるように洗っていきます。車の洗車をイメージして、やさしく細かいところまでしっかり洗ってください。
中もサドルソープを使って洗えば「臭い」もスッキリさせられますので、丁寧にゆっくりと洗いましょう。泡で洗うようにすれば、表面の汚れや古いクリームなどがビックリするほど浮いてきて楽しくなります。
泡をふき取ります
靴は水洗いではなく「拭き取り洗い」をするので、泡に混ざったよごれは古布やキッチンペーパーを使って拭き取っていきます。靴クリームに似た成分が入っているので、サドルソープを使えばクリームでケアしなくてもあとは乾かすだけになります。
陰干しで乾燥させる
風通しの良いベランダや玄関で、直射日光が当たらない場所でしっかり乾かします。ある程度乾いたら、シューキーパーや新聞紙をつめて形を整えると細かいシワも伸びて見違えるように靴がキレイになります。
最近の合皮靴の中には「ウォッシャブルタイプ」のものもあるので、合皮は「水洗いできる」と洗濯機を使う方もいますが、ウォッシャブル以外はサドルソープを使うのが正しい洗濯方法です。まったく水洗いできないわけではありませんが、中敷きが剥がれてきたり乾燥不足でカビが生えやすくなるなどのトラブルにも繋がります。どうしても水洗いする場合には、中までしっかり乾かすようにして中途半端に乾燥させた靴を収納したり履かないコト。雑菌が繁殖すると、カビだけでなく水虫の原因にもなります。
スウェードやヌバックの靴の洗い方
ボアブーツも起毛系になりますので、基本の洗い方は同じです。表面の汚れはブラシでしっかり落としたら専用のシャンプーを使っていきます。
全体的に布やスポンジで表面を濡らします
スムース素材と同じ要領で、全体的に湿らせておきます。
スポンジにシャンプーをつけて泡立てましょう
スウェード用のシャンプーは液体とムーズ状のものがありますが、洗浄力には差がないので使いやすいものを用意します。
全体に泡を撫でるようにしてつけ、優しく洗っていきます。汚れやシミが気になるところは念入りにしますが、力を入れると傷んでしまうので注意が必要です。
靴の場合には内側も一緒に洗ってかまいませんが、ムートンブーツの場合には表だけをきれいに洗いましょう。
浮き出た汚れとシャンプーの成分をしっかり取り除きます。シャンプーの成分が表面に残らないようにスポンジを洗って拭き取るを繰り返してください。
乾燥させたらカラーリキッドで補正
十分に乾燥させたたら、スエード用のカラーリキッドを靴全体に塗りこみます。色が濃いものは洗うことで白っぽくなるので、必ずカラーリキッドで栄養を与えておきましょう。
ベージュ系や白っぽいスウェード靴は、シャンプーで洗うと全体的に色が落ちたようになります。スウェード靴に使われている増白蛍光剤が洗ったことで落ちてしまうのが原因なので「新品の時の色のままにキープしたい」方は迷わずクリーニングに出すことをおすすめします。
自分で洗濯するのは面倒・上手く洗えないのならクリーニング
水洗いするわけでないので、比較的簡単ですが「靴が多い」「洗ったけれど臭いが取れない」「頑固な汚れが落ちない」ような場合には、プロの力でスッキリさせたいもの。
そんな時には「靴のクリーニング」に出すのをおすすめします。靴専門店だけでなく、最近では宅配クリーニングでも靴のクリーニングを行っているところもありますので気軽に利用できるようになりました。
多くは「パック料金制」でまとめて出せば、1足あたりのクリーニング代金も安くなりますので「靴専門店」に出すよりもお得で気軽に利用することができます。
靴のクリーニングの代金相場
靴のクリーニングは衣類と違い、代金も少々高くなりますので本当にクリーニングが必要なのかを考えて出した方がいいでしょう。
平均的に1足3,000円~となっていて、パック料金制でも単品でも代金に差はありません。ロングブーツになると5,000円~になることもありますので、本当に大切に履きたい靴ならクリーニングを選択してはいかがでしょうか。
靴のクリーニングに仕上がり日数
自分で洗うのは非常に簡単ですが、靴のクリーニングでは洗浄だけでなく色の補正やかかとなどの修理なども受けてくれますので時間がかかります。
早くて1週間、長くて2週間はクリーニングからは戻ってきませんので「シーズンオフ」をめどにクリーニングを利用するのが便利です。
靴のクリーニングにおすすめの業者はどこ?【人気の宅配クリーニングを紹介します】
まとめ
靴のクリーニングはシーズンオフか年に2回程度がおすすめです。普段のお手入れをしっかりしていれば、何度もクリーニングに出す必要もありませんしキレイをキープできます。
自宅での洗濯も定期的に行いながら、クリーニングと併用すればお気に入りの靴を長持ちさせることもできます。
靴がなくては始まりませんし、収納する度に靴を磨いて…まではやらなくても履いたらブラシなどで汚れやホコリを落としてから片付けるようにしましょう。
これを心掛けることで、カビの発生を避けて汚れも蓄積しなくなりますので「今日は品格的なお手入れをしたい」時にも慌てることなくスムーズにできますよ。
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