ビジネスマンの顔でもあるスーツをビシッと決めてくれるネクタイ。シワがよっていたり、シミがついているようなものは身に着けられません。
日ごろケアをしていても、手垢などでくすんでしまうと見た目にもシャキッとしませんので適度に洗濯して綺麗にしておきたいものです。ネクタイは目立つ衣類の一つでもあり、非常に繊細な素材なことからも洗濯には注意が必要です。
色落ちやシワを防いで、スーツのVゾーンを飾るためには「ネクタイに適した洗濯方法」を知ることが大切。ここではネクタイの洗濯方法、日ごろのケアやシワにならない収納方法などを紹介します。
目次
ネクタイは洗濯した方がいい!その理由
ビジネスマンにとってネクタイは必需品の一つでもありますので、いつでも締めて出かけられるようにしておきたいもの。クールビズを推奨する企業も増えていますが、日本ではまだまだネクタイ着用が必須のビジネスマンが多いのが現状です。
そもそも「ネクタイを洗濯したことがない」「シルクのネクタイは洗濯できない」と思いこんでいる方も多く、傷んだら新しいネクタイを購入することもあるようです。
見た目にはわからないけれど実はシャツより汚れている
「シャツの上に締めているのだから汚れていないだろう」と思ってしまう気持ちもわかります。ネクタイは体の中心に着用しているものですから、スーツの上着からの埃は勿論ですが、脱いでしまうと食事中の臭いやタバコの煙などを吸着します。
一番汚れているのは、首に巻いている部分と結び目。色の薄いネクタイを見ればわかりますが黒ずみも、一番つきやすいのです。
見た目にはわからないので洗濯せずにつかってしまいますが、汚れだけでなく毛羽立ちできやすいので、洗濯しプレスすることでシャキッとした清潔なネクタイに変身させましょう。
ネクタイは手洗いかクリーニングで洗濯しましょう
洗濯できるネクタイですが、洗濯機を使うのは危険ですのでやめましょう。ネクタイそのものが非常にデリケートデザインであることからも、剣先がつぶれてしまったり、よれやしわができてしまいアイロンをかけても戻らなくなることがあります。
このようなトラブルを避けるためにも「洗濯表示」をしっかり確認すること、素材にあった洗濯を行うことが大切です。
クリーニングとか面倒くせーと思ってネクタイ洗濯したけどやっぱりあかんかったよね(´・_・`) pic.twitter.com/irEyydhaCS
— ひろひろ@写真垢 (@HiroPhot0_0) August 8, 2017
【素材別】ネクタイに適した洗濯方法
ネクタイは洗濯できる衣料品ですが「手洗い」がいいのか、クリーニングに出せばいいのか迷うところ。ネクタイの素材やデザインによっては「手洗い不可」で「クリーニングマーク」がついているものもあります。洗濯をする前に、自分のネクタイがどのような洗濯方法が適しているかをチェックしましょう。
クリーニングで洗濯した方が良いネクタイ
ネクタイの素材は全部で8種類あります。それぞれに個性があり、季節によって素材を変えると雰囲気も変化するので何本か持っていると便利です。それぞれの素材に適した洗濯方法で清潔な状態をキープしましょう。
シルク
シルクのネクタイは洗濯はできますが、家庭での洗濯はおすすめしません。多くのシルクネクタイは「水洗い不可」になっているものが多くこれには理由があります。ネクタイ生地をよく見ていただくとわかりますが、締めやすいようにバイアス裁断されています。
これは生地に適度な伸縮性をもたせ、結び目が作りやすく綺麗にでるように計算されているからです。そのために、下手に洗濯してしまうと生地が伸びてしまい変形してしまいます。
それだけでなく、ネクタイ特有の膨らみがそこなわれてしまったり「毛羽立ち」が起こることで毛玉が発生してしまいます。シルクネクタイの洗濯は技術がないと難しい繊細なものですので、シルクネクタイはクリーニングに出すのが正しい洗濯方法です。
刺しゅうが入ったものやちりめんネクタイ
ワンポイントの刺しゅうが入ったものや、刺しゅうが細かく入っているもの、プリント柄や藍染め・ちりめん・エンボス加工されているものはプロの職人でなければ洗濯することは難しいです。ほつれやシワ・色落ちなども、手洗いすることで起こりやすいのでクリーニングに出しましょう。
コットン素材
独特な風合いがあるコットン素材のネクタイは、カジュアルなジャケットとの相性が良いのでラフなジャケットとのコーデがおすすめです。シルクや化繊混紡のものはビジネススーツでも使うことができますので、クールビスコーデの着回しもおしゃれです。
コットン素材は洗濯は簡単ですが、ネクタイとなると話は別。手洗いはできますが、シワになりやすいので「アイロンテクニック」が必要になります。下手にアイロンをかけてしまうとシワになってしまい使えなくなることもありますので、クリーニングをおすすめします。
ニット素材
コットン・ポリエステル・ウールなど色んな素材で通年使うことができ、カジュアルスタイルはもちろんですが夏は清涼感が感じられ気品もプラスさせます。コットンと同じで手洗いすると「よじれ」が生じることもありますので、クリーニング表示があるものはクリーニングに出しましょう。
家庭で洗濯できるネクタイ
家庭での洗濯は手洗いをすること、洗濯機を使うと、生地の傷みやよれが生じますので絶対にやらないでください。
ウール素材
見ために温もりを感じるウールネクタイは秋冬にぴったりの素材、シルクのような光沢がないのでジャケットやスーツも光沢のないものをコーデします。ツイードジャケットやフランネル素材のスーツとの相性も良く、ダンディで大人の男性を演出します。
ネクタイはきちんと畳み小さな洗濯ネットに入れましょう。水でなく40℃程度のぬるま湯に、中性液体洗剤をいれて洗浄液を作り、軽く押し洗いします。
すすぎが終わったらタオルに挟んで軽く形を整えたら、平らな場所で陰干ししてください。
リネン素材
麻のネクタイは清涼感がありますので、夏の装いにピッタリのネクタイです。ウールたシルクネクタイよりも洗濯しやすいので、手洗いでも問題ありません。中性のおしゃれ着用洗剤で押し洗いすれば、ねじれもおきませんし綺麗に洗いあがります。
人口素材のネクタイ(ポリエステル・アセテート・レーヨン)
どれもシルクによく似た光沢をもったネクタイで、手入れがしやすいことからも「本数を持ちたい」ビジネスマンに人気です。
外回りなどで顧客回りが多い方は、あまり同じネクタイを締めているのもお洒落ではないですし、新入社員で高価なネクタイを何本も購入できないような場合には人口素材は安価でおしゃれです。
シルクとは異なり、手入れが簡単で汚れも落としやすいメリットがあります。ちょっとした汚れはこすって落としたり、水に濡らしてキレイにできるなどのメリットもたくさんあります。これは簡単に家庭で洗濯できますので、クリーニングに出す必要はありません。
ネクタイの洗濯頻度
ネクタイは「どう使ったのか」によっても洗濯回数は異なりますし、食事の臭いが染みついてしまったり食べこぼしがついて汚れた場合には、すぐに洗濯するのが好ましいです。
メンテナンスを間違えることで大切なネクタイが使えなくなってしまうのは残念ですが、洗わないことでネクタイの寿命を縮めてしまうこともありますので定期的な洗濯をおすすめします。
1シーズンに使うことができるネクタイが10本以上ある方は、シーズン毎及び3ヶ月に1回の洗濯がおすすめ。少ない本数を着まわしている方は、休日にはこまめに洗濯をするようにすればいつでも清潔なネクタイを着用できます。
ネクタイを家庭で洗濯してみよう
家庭で洗濯できるネクタイは、おしゃれ着用中性洗剤を使い手洗いすることができますが、洗濯する前に必ず下準備を行います。
色落ちしないか確認しましょう
自宅での洗濯が可能なネクタイであっても、必ず洗剤で色落ちしないかを確認します。目立たないネクタイの裏側に、原液の洗剤を少しつけて1分ほど置きます。
白いガーゼで軽く揉んで色が移らなかったら、そのまま洗濯してOK。万が一、色落ちするようであればクリーニング店に相談してみましょう。
シミのチェック
飲み会などで上着を脱いでいると、飲み物や食事のシミがつきやすくなります。その時には気づかなくても、洗濯する前には必ず確認しましょう。ネクタイは「揉んだりこすったり」すると生地を傷めますので、ちょっとした小さなシミは携帯用のシミ取りペンを使うと便利です。洗剤と同じように目立たない場所に使い「色落ちないか」を必ずチェックしてください。
手洗いに必要なものを用意しましょう

- 洗面器(ネクタイが二つ折りで入る大きさ)
- おしゃれ着用洗剤(中性洗剤)
- バスタオル
- スーツハンガー(幅の広いもの)
- アイロン
手洗いの手順
1:洗剤をぬるま湯に溶かす
約40℃前後のぬるま湯に中性洗剤を20mlをしっかり溶かしておきます。かき混ぜるようにするとネクタイにまんべんなくいきわたります。
2:ネクタイを畳んで優しくつけ置きします
二つ折り又は三つ折りにしたら、ネクタイをそっと洗面器の中に浸します。押し洗いなどすると繊維が傷みますので、そのまま5分程度つけ置きしましょう。
3:揺らして洗います
押し洗いしてしまうと、繊維が固くなったりよれてしまいますので左右にネクタイを揺らすようにして洗いましょう。つけ洗いすることで、汚れが洗面器に流れ出すので押し洗いしなくても揺らせばキレイに落ちます。汚れを出し切ったら何度か水を取り替えてすすいでください。
4:バスタオルを使い脱水する
ネクタイの脱水には洗濯機は使えません。バスタオルで挟み込むようにして、しっかり水分をとります。その際にはネクタイ芯を軽く整えておきましょう。水分がしっかり無くなったらスーツハンガーにかけ、風通しのよい日陰でしっかり乾燥させます。
素材にもよりますが、1日あれば芯まで乾燥しますので触ってみて乾いていればアイロンでプレスしていきましょう。
5:アイロンでシワを伸ばします
スチームアイロンを150~160度(低温~中温)にセットします。ネクタイを裏に返したら、ハンカチかガーゼを当て布にします。当て布から1cm程度アイロンを浮かせスチームを当てていきます。軽くシワを伸ばすように引っ張りながらかけるのがコツ。裏面が終わったら、表も同じようにしてシワをしっかり伸ばしましょう。
裏表両面にスチームをかけたら、裏面から菜箸(割りばしでもOK)を入れて膨らみを出したら、最初と同じ要領でスチームをかけます。こうすることで、ネクタイがふっくらした状態に仕上がるだけでなく、シワやよれもなく美しい仕上がりになります。
手洗いできないネクタイはクリーニング
シルクや刺しゅう・プリントネクタイは手洗いできる人口素材と比較すると、高額な商品です。繊細な素材で特殊な加工などを施していますので、頻繁にクリーニングに出すと繊維の摩耗を引き起こします。
日常的に簡単なケアを行えば約3か月に1回の頻度で良いでしょう。コーヒーシミができたり食べ物の汚れがついてしまった時には、焦らずに水分を軽く押さえたら手早くクリーニングに出しましょう。
無理にシミ抜きしたり擦ると生地が傷み、毛玉やすり切れなどの原因になりますので気をつけてください。
クリーニング料金の相場
ネクタイのクリーニング料金は、他の衣料と比較すると非常に安く400円~800円程度です。素材や汚れ・シミの程度によって金額が変動しますので、出す前にオプション料金なども確認しておきましょう。
ネクタイに洗濯頻度は約3ヶ月に1回ですので、着用しているスーツと合わせてクリーニングに出すのが良いでしょう。宅配クリーニングではパック料金設定されているところもありますので、スーツ・ネクタイ・シャツのほかにクリーニングに出したい衣類があればまとめて集荷にきてもらえて便利です。
シミ抜きや毛玉取りサービスなども充実していますし、わざわざ店まで持っていったり取りに行く手間もないので忙しいビジネスマンに便利なサービス。家族でまとめてクリーニングに出したい場合にも、宅配クリーニングであれば思い荷物を運ばなくてもよいメリットがあります。
ネクタイを綺麗な状態でキープする方法
新品はもちろんですが、洗濯したばかりのネクタイはできるだけ次回の洗濯まで清潔な状態を保ちたいもの。ここからは、日ごろのケアや保管方法をまとめて紹介します。
購入すぐ・洗濯したら撥水スプレーでケア
防水スプレーはコートや靴だけでなくネクタイにも有効なものです。撥水スプレーは水を弾くだけでなく汚れからも守ってくれる頼もしい存在。
綺麗なうちに撥水スプレーをしておくと、埃や汚れから守ってくれますのでシミもつきにくくなります。3回着用したら、撥水スプレーをかけなおして、常にガードしておきましょう。
ネクタイのシミは慌てず処理しましょう
ビジネスマンのも顔でもあるネクタイにシミがついてしまうと大変です。今から打ち合わせ・会議前ともなると、慌ててハンカチでこすってしまいますが、ネクタイはこすると毛羽立ちが起こり風合いを損ねます。
コーヒーのような水溶性のシミは、ハンカチを濡らして軽く押さえたら乾いた部分で水分を押さえます。ラーメンのスープやパスタソースなどの油性のシミは、ティッシュで軽く押さえて油分を移します。
ポイントは「こすらず押さえる」事です。軽く叩くようにしても良いのですが、あまり繊維を触るのは良くないのである程度落ちたらそのまま乾燥させます。後はできるだけ早くにクリーニングに出しておきましょう。
仕事から帰ったらネクタイも休ませてあげます
ネクタイは締めやすいように特殊な生地と形状をしています。洗濯はもちろんですが、毎日のメンテナンスが大切です。帰宅したらネクタイはハンガーにかけて、湿気をしっかりとる習慣をつけましょう。ネクタイのシワを伸ばすために巻いてしまう方がいますが、身に着けていたネクタイは汗などを含んでいますので先に陰干ししてください。
陰干しが終わったら洋服ブラシで首元かや優しくブラッシングして汚れを落としてから、シワはスチームアイロンで伸ばします。スチームアイロンをかけたら、ハンガーにかけて陰干ししクローゼットに収納しましょう。
ネクタイを長持ちさせる収納方法
ネクタイは好みがありますが、女性からプレゼントされることも多いアイテムでもあり気が付いたらネクタイの本数も増えていたこともあるでしょう。
適当に収納してしまうと、シワになったりネクタイ同士がこすれて毛玉になってしまうこともあります。収納スペースにもよって、上手なネクタイの収納方法を覚えておくと「あのネクタイどこにしまったかな?」なんて慌てることもありません。
平置きする
引き出しに並べて収納する場合には、ネクタイを軽く二つ折り(引き出しが狭い場合には四つ折り)にしたらネクタイを並べます。折り畳んだ部分に空気が入るようにすると、シワにならずにすぐに取り出すことができます。ニットのネクタイは平置きした方が生地が伸びないので安心です。
丸めて保管する
ネクタイ売り場にいくと、平置きされたネクタイだけでなく丸めて飾られているネクタイを見かけます。ネクタイの小剣(先が細い方)から空気をはらますようにしてクルクル巻いていきます。きちきちに巻くと型崩れの原因になりますので、優しく巻いてください。
引き出しに収納する場合には、巻いたネクタイの高さよりも深いスペースに収納すること。ネクタイ専用の引き出しがあれば、お気に入りは飾るようにすればインテリアとしても楽しめます。
吊るして保管
クローゼットにネクタイ用の収納ハンガーがついていれば、そこに吊るしておけばOK。ない場合には、ネクタイ専用のハンガーを用意して吊るしておきましょう。
シワの心配もありませんし、ネクタイには非常に向いている収納方法です。ニットネクタイは、重みで伸びてしまうので向いていませんが、その他のネクタイはこの方法できれいに保管ができます。
まとめ
ネクタイは皆さんが考えているよりも繊細で傷みやすいものです。洗濯は必要ですが、なんでも手洗いすればいいものではなく、クリーニングが必要なネクタイはクリーニングに出すべき。
清潔感のあるネクタイを締めると気持ちも引き締まりますし、清々しい気分で仕事に向かうこともできます。自分のネクタイはどのような洗濯が向いているのかをラベルで確認し、定期的に洗濯をしたら毎日のメンテナンスで元気にしてあげましょう。
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